先の通り有栖川煌斗には有栖川美月という妹がいる。
そしてこの妹がまたオーバースペックの持ち主なのである。
成績は優秀。
運動神経は抜群。
身長は172センチ。
高1でこの身長はかなり高い。(ちなみに煌斗は169センチである)
その高身長もさることながら全身のスタイルも他の追随を許さない。吉田がその辺のモデルよりも綺麗と表現したのはその他大勢の人間の共通認識として決して間違いではないのだ。
想像してみてほしい。平凡な高校の教室にモデルみたいな女生徒がいたらと。
繰り返すが、南高は田舎にあるただただ平平凡凡な高校である。そんな生徒がいたら他の人間が一歩距離を置いてしまうのは致し方ないだろう。
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続けて想像してみてほしい。
有栖川煌斗はほぼ全てのステータスがロウスペックの校内トップクラスの劣等生である。
内面だけならまだしも外見における評価も下の下である。それでいてその影の薄さから周囲の認知度も極端に低い。
ん?ああ、そんなダメな生徒がうちのクラスにいるな。みたいな、そんな認識がほとんどの南高生の共通認識である。そんな人間がどうしたら学校史上稀にみる美少女に繋がりを見いだせるだろうか。唯一の共通項である名字に気付いた吉田でさえ、その驚きは計り知れないものである。
そもそも、名字の共通項に気付いたのが4月末現在、吉田一人であることが有栖川煌斗という人間がいかに認知度が低いかお察し頂けると思う、と結論付けて補足の補足を終わろうと思う。
「ありえないだろ、ありえないだろ、ありえないだろ、ありえないだろ、酲ォ、ホサィ・、ュ、ロ、ウ、・ネ、ュ」
「吉田氏、吉田氏。文字化けしてるよ。」
「ありえないだろ!?お前が美月様の兄だなんて。似てない兄妹にも程があるぞ。 いくら義理の兄貴だからってお前が彼女と同じ屋根の下にすんでるなんてありえない!」
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「勝手に義理にしないでもらえるかな。妹とは正真正銘血がつながっているけど。」
「ぎゃー」
もはや悲鳴をあげる吉田だった。
「そんなに驚くことはないだろうに。別に兄妹だからって似ているとは限らないだろ?」
「いや、俺だってお前意外の誰が彼女の兄妹であったとしても『へえ、あんまり似てないんだね(笑)』くらいに済ませる自信があるが、よりによってお前だとは…。」
「全く人の外見的特徴を悪くいうものではないよ。」
「だからお前の場合なんていうかな、もうそれ以前の問題なんだよ。制服はよれよれだし、髪の毛はボサボサで伸び切ってるし、コナン君みたいなメガネつけてるし。」
「いやいや� ��コナン君はカッコいいじゃないか。」
「あれはアニメだからな。現実にそんなでかくいメガネ最近の若者がするものじゃねえよ。」
モブキャラになりかけていた割には結構ずばずば物を言う吉田なのであった。
「そういうもんかなあ。」
「だいたいなんで初めに美月様のこと聞いたときは知らないっていってたんだよ。」
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「だって本当に美月様だなんて知らなかったんだよ。自分の妹がそんな『様』をつけられるような有名な存在だなんて思えないだろう。」
「あの姿形をみてよくそう思えるな。ももも、もしかして美月様って家では全然違うとか?」
何やら興奮気味に聞いてくる吉田。気持ち悪い。
「違うといわれても普段の学校での姿を知らないからな。」
「うちのクラスだって結構その話で盛り上がってるってのに。大体―」
「どいて。」
吉田の声を遮ったのは煌斗ではなく、二人の前にいる女生徒から発せられていた。その声は低く、言いようのない威圧感を感じあわてて吉田は彼女の進行を遮っていることに気づき、� ��をあける。何も言わずに彼女は自分の席へと向かった。
「ふわー、やっぱ怖えな、あれ。」
吉田は小声で煌斗に話しかける。
「
確かに彼女の容姿はまた煌斗や美月とは別の意味で異色を放っていた。こういった田舎の学校で髪の毛を派手に染めたり、ピアスをしたりなんてする生徒はほとんどいない。田舎というよりも南高の場合、一応は進学校であるため基本的には真面目な生徒が多いのだ。
「顔は可愛いんだけどなあ。ありゃ夜とか相当遊んでるぜ。お前とは別の意味でこのクラスで浮いてる存在だな。」
「別に俺は浮いてないだろう。」
「そうだな。沈みきってる。」
「ほう、うまいことを言うね。」
「いや、べつにうまくないだろう。」
そんな四月末の教室内。煌斗にしては珍しく多く会話をした朝の出来事だった。
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